灸あたり
お灸でも刺激過多によって「鍼あたり」と同じ症状があります。「いっぱい据えれば良い」ものではございません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
火傷
灸治療を受ける方が一番心配されるのが火傷です。中にはお灸での火傷の痕を見たことのある方もおられるかと思います。れっきとした治療法として、わざと火傷を負わせるものがありますが、最近ではあんなに大きな火傷の痕が残るような治療をする鍼灸院はほとんどないかと思います。当院では台座灸と呼ばれる、もぐさと皮膚の間に隔物のついたものを使用いたします。燃焼するもぐさが直接肌には触れませんので安心して灸治療を受けることができます。
保険について
保険適用疾患
➀神経痛
②リウマチ
③頚腕症候群
④五十肩
⑤腰痛症
⑥頸椎捻挫後遺症
保険適用料金
3割負担
初診 1,000円
2回目 500円
2割負担
初診 700円
2回目 350円
1割負担
初診 500円
2回目 200円
料金について(自費)
当院では基本的には保険を取り扱っての治療を行いますが、患者様の症状やご要望、万が一同意書が頂けなかった場合には保険外治療も行っております。お気軽にご相談ください。
初診料(初回のみ下記料金にプラスして頂戴いたします) 1,000円
鍼または灸のみ 1,300円
鍼、灸併用 1,600円
鍼治療の痛み
痛み(外傷)のメカニズム
人間の皮膚には触覚・圧覚・痛覚・温覚・冷覚の5つの感覚備わっており、それぞれを識別する感覚点が分布されています。痛みは痛点(痛みを感じるセンサー)が感じた痛みを神経を通って脳へ伝えます。痛点は体表に200万~400万個、1cm²あたりには50~350個あり、その他の感覚点の中で最多です。それだけ、「痛み」を感じることが人間の体にとって大切であるということです。
次に、この痛点がある”皮膚”についてお話しします。”皮膚”とは、表面から順に【表皮】【真皮】【皮下組織】の3重構造になっており、約0.5~4.0mm程の厚さがあります。この中の【表皮】(約0.2mm)はさらに表面から[角質層][顆粒層][有棘層][基底層]と分かれ、この[基底層]呼ばれるところに痛点が多く広がっております。※下参考図
このような構造になっているため、[基底層]まで一定以上の刺激が届かないと痛みとして認識されないわけです。また、学生の頃、体育館などで膝やひじを擦りむいた経験はございませんか?ヒリヒリ痛むのに血が出ない。よく「薄皮を擦りむいた」と言われる状態ですね。あの状態は、傷が[基底層]まで達しているが、【真皮】までは届いていない(血管は真皮までしか通っていないから)状態です。このように普段はあまり考えたことのない事でも、ちょっと理解が深まるだけで面白く感じませんか?
鍼治療の痛みが出ないメカニズム
痛みを感じるメカニズムをなんとなーくご理解いただけたところで、次は鍼治療がどうして「痛くない」のかご説明いたします。先ほど説明した「痛み」が発生するには痛点に“一定以上”の刺激を与えなければなりません。鍼治療ではこの”一定以上”を超えない刺激で治療を行うことが最重要になります。
非常に細い鍼を使用します
まずは鍼の細さ。これは単純に細ければ細いほど痛みを感じにくいです。皮膚からの抵抗が少なく、痛点への刺激も最小限に抑えることができます。その細さは美容鍼などで使用する最細のもので0.10mm!鍼灸師が最も好んで使うものでも0.20mmほどの細さです。なかなかイメージがわきにくいので、痛い針の例として”採血の時に使用する注射針”と痛くない針”蚊の口”と比べてみると、このようになります。
このように鍼治療に使用される鍼がいかに細いかがわかっていただけるかと思います。鍼の細さに関してはまだまだ研究と開発が続けられているため今後はもっと細い鍼や痛みを感じにくい鍼ができるかもしれませんね。
鍼管を使用します
次に「鍼管」を用いること。「鍼管」とは鍼を打つ際に使用する鍼を通す管です。この「鍼管」がものすごい優れもので、発明したのは日本の偉人、杉山和一という人物です。「鍼管」の役割は2つあります。
①素早い刺入が可能になる。「鍼管」は使用する鍼の長さよりも3mmほど短いものを使用します。すると鍼を打つ際、皮膚に鍼を置くと鍼の末端が「鍼管」から3mm飛び出すので、そこを指で叩き入れます。この方法で刺入すると、鍼のみで刺入するより格段に素早くこの3mmが皮膚内部へ打ち込まれます。痛みを1番感じる皮膚表面からの0.2mmを一瞬で通過することにより、痛みを感じにくくなります。
②鍼管による皮膚の圧迫。鍼を打つ際、この「鍼管」を皮膚に押し当て、圧迫しながら刺入します。皮膚を圧迫することにより、表皮を麻痺させます。正確には錯覚を利用し、痛みを感じないようにするものです。この時、先に説明した5つの感覚のうちの触覚と圧覚が反応します。つまり、「触られてる!圧迫されてる!」と皮膚が感じます。触覚、圧覚の受容器(センサー)は痛覚よりも数は劣りますが、1つ1つが大きいため、より大きな刺激として脳に伝わります。その大きな刺激が、痛みの小さな刺激の邪魔をしてしまうので痛みを感じにくくしてしまうのです。
鍼と灸について

太さ0.12mm~0.20mmの非常に細い鍼を使用します。この太さは髪の毛と変わらないほどの細さで、鍼を打つときの痛みもほとんどありません。それでも少し怖い、痛そう……。と思われる方のために、円皮鍼(置き鍼)※1という極小の鍼も取り扱っております。是非そちらもお試しください。

灸治療
当院では灸治療での事故(火傷や灸あたり)のリスクをなくすため、台座灸と呼ばれる灸を使用します。もぐさと皮膚の間に5㎜~3㎜の台紙を置くことにより、火が皮膚に直接触れることがなく程よい温度の灸治療が可能になりました。血行の改善やリラクゼーションに大変効果的な治療です。