当院でも、上腕や背中、手首に痛みや痺れダルさを訴える人が急増中です!
年齢層もさまざまで、痛みの箇所もばらつきがあるのが特徴です。
痛みや痺れの正体は・・・
胸郭出口症候群!!
胸郭出口とは鎖骨と第一肋骨、前と中斜角筋などで作られている
胸郭の上端のことを言います。
この部分は、鎖骨下動脈と静脈や腕神経叢の神経などが狭い隙間の中を通っているので
なで肩の人は、肩甲骨が下がりやすい為、肩甲骨周りの筋肉が肩を引っ張って
鎖骨下動脈と静脈や腕神経叢の神経などが圧迫されて肩こりのような症状や
腕のしびれ、上肢の脱力感などさまざまな症状を引き起こします。
圧迫されている場所によって呼び方が変わる
- 頚肋症候群:第7頸椎の形成不全で斜角筋三角の底が狭まって神経、血管を圧迫したもの
- 斜角筋症候群:前斜角筋、中斜角筋が圧迫 なで肩の女性に多い病気です。
- 肋鎖症候群:第一肋骨と鎖骨の間が狭くなって圧迫している。疲労や姿勢の変化で起こりやすい。
- 過外転症候群:小胸筋の下で神経や血管を圧迫しているもの。
バンザイや腕を頭よりあげる作業など続けたときに起こりやすい。
どのような人に起こるか?
15歳から50歳の幅広い年齢層で起こるが、20代のなで肩の女性が多いです。
最近多いのが、スマホやパソコンの画面を見る為、前のめり姿勢で両肩が内側に丸まった
猫背の人をよく見られます。
頭は体重の10分の一ぐらいの重さがあるので、頭が少し前のめりのなるだけで首への負担は
大きくなる為、猫背は、首だけでなく身体全体に悪影響があり、僧帽筋にも大きな負担をかけ続けるので
慢性的な肩こりなども、おこりやすくなってしまいます。
中年の体格の良い男性にも、胸の筋肉が発達しすぎると動静脈や神経を圧迫するので起こりやすくなります。
(発達した筋肉が神経や血管を圧迫する為)
その他は遺伝的な部分でもおこる場合があります。骨格は遺伝するので、親と子は似た体格になる確率が高くなります。親に同じ症状があれば子供も同じ症状の確立が高まります。
胸郭出口症候群を予防するためにすればいいこと
・胸郭出口症候群は姿勢の悪さからくることが多いので、悪い姿勢を長時間取らないことが一番の予防になります。
・長い時間パソコン作業を続けて腕や肩に疲れが出てきたときには、休憩を取るなどして休むようにしましょう。
・胸を張るような姿勢をとって常に良い姿勢を取るように心がけましょう。
・重い物を持つなども関係しているので、なるべく重たい物を持たない事も重要です。
それ以外では睡眠不足やストレスでなる人もいるので、規則正しい生活をおこなうのも大事です。
・神経が圧迫している肩周辺のストレッチなども予防にいいですね。
・胸郭出口症候群には小胸筋という筋肉のストレッチがおすすめです。
どのようなストレッチかというととても簡単にできるんです。猫がよくしている腕を伸ばす動作で簡単なのに身体全体を伸ばしてくれる凄いストレッチです。
両腕を床に着けて、背中を猫のように伸ばすだけです。
思いっきり背中を伸ばすので肩まわりもよく伸びて肩こりの解消にもなります。
前回、腰痛の時の体幹トレーニングも、姿勢をよくするのでおすすめです。
肩こりや胸郭出口症候群に効くツボ
今回紹介するのは肩甲骨周辺にあるツボです。
肩周辺の重だるい痛みやしびれ、腕が上がりにくい時に効果があります。
一つのツボを押す回数は2~3回が基本で押す強さは、気持ちいい強さで強ければいいというのは間違い
力任せに押すと、筋肉が緊張してしまい本来の効果が得られうえに、筋肉を傷めて炎症などがおこって
症状が悪化する場合もあります。
押すだけでなく、手のひらでさすったり、ドライヤーなどで温めるのも血行が促進して身体に良い効果が得られます。
ツボの取り方(指寸取穴法)
母子の横幅を1寸、
示指から薬指の幅を2寸
示指から小指の幅を3寸でとります。
大椎:後頚部、第7頸椎棘突起下方の陥凹部にとる。
背筋痛、発熱、頭痛のときに
肩外兪: 上背部、第一胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸にとる。
主治(肩の背部痛、肩関節周囲炎、肩こりなど)
肩中兪: 上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方2寸にとる。
主治(咳嗽、肩こり、寝違いなど)
肩井: 後頸部、第7頸椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点。
主治(項頚部痛、肩こり、めまい)
中府: 前胸部、第一肋間と同じ高さ、鎖骨下窩の外側、前正中線の外方6寸
中府は肺経に属するツボで胸郭出口症候群の人は呼吸が浅い人が多いので
呼吸を正常に働かせることで胸郭の動きを良くすることができます。
ツボを押す事で、血流が良くなれば健康な筋肉の状態を取り戻したり、
ストレス解消にもいいのでおすすめです。 福良
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